Photo: Atsushi Tokumaru
3試合で6失点していることには目をつぶったとしても、8得点を挙げている攻撃力に文句はない。ただし、大久保に笑顔はない。求める形でボールが入ってこない、自分が最も勝負をしたいエリアに入れさせてもらえない。そういう局面が多く、ストレスを抱える状況が多いようだ。ただ、対峙する相手としても3年連続得点王を野放しにはしておけない。対策され、自由に動き回るのが難しくなるのも必然だ。
その大久保がチームに求める理想の形が、13年の姿である。「いまは年を重ねていくたびに、怖さがなくなっていくように感じる。“何が良いか”という部分をみんなが勘違いしている。つなぐのが良いと思っていて“ゴール”ではない。でも、そうではない。速くゴールに迫ることで選手たちが生きるし、流動的にみんなが動けるようになる。あれだけつないで相手DFを戻らせれば、FWの動く場所がなくなる。だから、(ボールを)取ったときに速く前に出してほしい。それはずっと言っている」。先週、彼はこう力説した。言わんとすることは分かるし、今節でも“つなげ”てはいたが、ゴールが奪えず苦しんだ。
とはいえ、先にも述べたようにチームとしての得点力は担保されている。大久保だけでなく、小林や森本が結果を出しているからだ。そういう意味では、いまの川崎Fは大久保を封じられても点が取れるという状況を証明している。これで負けが込めば深刻だが、ここまで2勝1分と負けなし。勝ちながらも課題が見えるというのは“うれしい悲鳴”であり、前向きに捉えて良いことだろう。 (竹中 玲央奈)