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立て直した守備と興梠弾。王者相手に敵地で執念を見せる
1-2の浦和ビハインドで試合が終わってもおかしくなかった89分、柏木のパスを左サイドの裏に抜け出して受けた槙野が相手をかわしてクロスを上げると、ズラタンの見事なポストプレーから興梠がゴール。浦和が劇的な同点弾で引き分けに持ち込んだ。
前半は広州恒大が圧倒したゲームだった。浦和サイドから見れば不可解な判定によるPKで6分に早くも先制し、12分に追加点。その後もリカルド・グラル、ジャクソン・マルティネスの強烈な個を生かした攻撃で浦和を完全に押し込んだ。彼らばかりではなく、守備陣は球際が強く、逆サイドのウイングが下がってスライドしながら5バックを形勢し、誰かがポジションを外れた際には必ず誰かがカバーする組織的な守備で浦和の攻撃をはね返し続けた。
それでも浦和は「後ろは『もう絶対にやらせるな』という話をしていたし、そういう雰囲気を作れた」(遠藤)ことで、押し込まれる時間帯にも3失点目を許さず、30分には柏木のCKからGKツェン・チェンが犯した致命的なクリアミスを武藤が見逃さずに1点を返すことに成功した。
そして後半に入ると運動量が低下した広州恒大を尻目に浦和がペースを上げる。51分には梅崎のクロスから武藤、66分には森脇のクロスから興梠が決定的なチャンスを作り、これらは決められなかったが、終了間際の89分に広州恒大ゴールをこじ開けた。
負けてもおかしくない展開で得た勝ち点1。その結果も大きいが、ペトロヴィッチ監督が「頑張りが報われた」と言ったように、後半は“追い付く”、“勝ち点を得る”という気持ちがこもったプレーを見せたことが何よりの収穫ではないだろうか。その意味においてもこの『1』は今後につながっていくはずだ。(菊地 正典)