決定機は少なくとも。川崎Fが落ち着いた試合運びで首位キープ
甲府の佐久間監督が「悲観することはない」と語るとおり、堅守が売りの甲府を相手に川崎Fが華麗に崩した場面は片手で指が余るほどだった。それでも結果として川崎Fが大勝できたのには、理由がある。
「今日に関してはフィーリングが良かった。」前節に引き続きこの日もゴールを挙げてチームを勝利に導いた中村の言葉だ。戦前は堅牢なブロックを敷く甲府に苦戦する展開も予想されたが、そのゲームを簡単にしたのは背番号14のスペシャルな右足。9分、小林が絶妙なボールコントロールから得たFKを「練習どおり」に左スミへ突き刺し先制点を記録すると、25分には彼のCKの流れから森谷が今季初ゴールを記録。ちなみに、そのCKは中村の絶妙なFKから得たモノだ。最少得点差で試合を進めたい甲府にとって2点を追い付くのは困難であり、逆に川崎Fにとっては2点目でかなり試合がラクになった。そして圧巻だったのは3点目。66分、ショートコーナーの戻しを受けた中村がクロスを上げると見せかけてニアへ鋭いシュートを放つと、これがネットに吸い込まれる。これにより甲府は前がかりにならざるを得なくなった。その状況を利用してスペースを突いた田坂が4点目を記録し、川崎Fが完勝を収めた。
2点目を奪うまでの時間は停滞感も感じられたが、そこは「“駆け引き”だった」と風間監督は語る。前節の名古屋戦(3○2)も早々に先制しながら一時は逆転を許しており、その反省を踏まえた上でのゲーム運びだったのだ。そして懸案だったセットプレーからゴールを生み出し、点差をつけて相手を前に引き出し、そこを突いてトドメを刺した。相手の出方とその場の状況を把握してゲームを進める、チームとしての“目”に優れた川崎Fが勝利を挙げた。(竹中 玲央奈)