Photo: Atsushi Tokumaru
FC東京はある狙いを持って、この試合に臨んだ。鹿島のSBの裏を突くこと。前半から東や前田がサイドに流れては、ボールを呼び込む。その形から18分には橋本が決定機を迎えた。決まっていれば、“してやったり”だった。「0-0の時間であの攻撃をそのまま継続したかった」(東)。しかし、FC東京は後半早々に失点を喫する。そして反撃が必要な状況となったが、むしろここから攻撃面の問題点が浮き彫りになった。
先制点を奪った鹿島は、より攻守のバランスを取りながら試合を進める。前半よりもFC東京が突きたいスペースが消された状態だ。城福監督は河野、梶山、そして約6カ月ぶりの実戦となる平山を投入するスクランブル作戦に出る。その平山がゴール前で何度か好機を作ったが、ゴールは遠く。沈黙のまま終戦した。
入念に相手対策の準備をして、それを実際にピッチで示した。しかし、その手を出し尽くしたあとに、いまのFC東京には相手を攻略する手段が少ない。森重が語る。「前半は守備も攻撃も良い形だった。ただ、相手の弱点を突くことばかりになり過ぎた。特にリードを奪われたあとは、もう少し自分たちでボールをキープして相手を押し込まないと厳しい。それができれば、相太くん(平山)の高さももっと有効に使えた」。
米本と橋本のボランチコンビは、この日も球際で力強いプレーを見せ、速攻につなげた。一方、いざポゼッションスタイルに転じると、そこには構成力に長けたMFの不在が際立つ。梶山も本調子からはほど遠く、けがで離脱中のハ・デソンの早期復帰が待たれる。また中盤でタクトを振れる選手がいないなら、前線で起点になる選手が不可欠。その役割を担うべき前田は、思うようにボールを収められなかった。自ずと、チームは機能的に攻めることもできなかった。
推進力のある阿部を風邪で欠いたことも痛かったが、この試合からはあらためてFWが補強の必要なポジションであることが分かった。中盤から前線にかけて、足りないモノばかりが目立ってしまった試合。いま、青赤の攻撃は悩みを抱えている。( 西川 結城)