手ごたえを得た長崎。得点の兆しさえない京都
長崎の強固なディフェンスがとにかく印象に残る90分だった。昨季の長崎の失点数『33』は、讃岐と並んでJ2最少。本来は守りのチームであるはずが、今季は3試合で6失点と脆さをのぞかせていた。だが、京都戦を終えた選手たちは、堅守復活に確かな手ごたえをつかんでいるに違いない。
京都も課題だった前線からのプレッシングには改善の跡が見られた。前半だけを切り取れば、ホームチームがペースを握っていたようにも見えるかもしれない。15分には有田が、35分には石田が、決定的なシュートシーンを作っている。しかしながら、その決定機のほとんどはセットプレー絡み。5バック気味の布陣を敷き、CBとボランチが中央のスペースをしっかりと埋める長崎の守備網に穴を開けることは、一向にできていなかった。連動した崩しや前線の永井を生かす、チームが狙いとする攻撃の形を描いていたのは長崎のほうだった。
後半は、長崎の堅守がさらに際立つ。京都は62分に負傷明けの山瀬を投入して状況の打開を図るが、好転の糸口が見いだせないまま時間が進む。後半開始直後はチャンスを量産していた長崎の攻撃も、次第にトーンダウン。両チームともスコアは動かせず、タイムアップを迎えた。
これで京都は、開幕から4戦引き分けを続けたことになる。だが、この日の試合内容は戦績以上に深刻に思える。後半のシュート数はゼロ。相手のディフェンスが機能していたとはいえ、ホームゲームの後半45分の間にゴールの兆しさえ見せられなかった事実は、過小視できないモノだろう。
試合後の両指揮官の言葉は対称的だった。「京都の良さを消していた。アウェイでの勝ち点1は悪くない」と満足感を表した長崎・高木監督に対し、京都の石丸監督は「勝ちに行っているので悔しい。次につなげるしかない」と苦悩の色を浮かべた。(川瀬 太補)