Photo: Atsushi Tokumaru
この2試合のテーマはいかに得点を取るか。引いた相手に対して前線30m、さらにはゴール前16mの質を高め、バリエーションを増やす。武藤嘉紀をけがで、南野拓実を五輪代表の遠征で欠く状況でも、小林悠とハーフナー・マイクを含む6人のFWを選出した意図はそこにある。目的は明確だが、そのためにはフィニッシュで特徴を発揮するためのプロセスが必要だ。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、たとえば本田圭佑や岡崎慎司に高い位置でゴールに絡む仕事を求める一方で、金崎夢生には「A代表では少し中央に残ってほしい」と要求。FWが点を取るという当たり前だが、これまでの日本代表で当たり前になっていなかったことを、いまの段階から突き詰めることで、最終予選でも得点力を発揮できる体勢を作ろうとしている。
新戦力の小林は右サイドでの起用がメインになるが、「ゴールゲッターとして、われわれに足りなかったところ」(ハリルホジッチ監督)を加える存在として期待が懸かる。特に指揮官が高く評価するのはタイミングの良い飛び出しで、今月上旬のトレーニングキャンプでその持ち味を大いに発揮したことが今回の選出につながった。代表合流初日に行われたミニゲームでもゴールを決めた小林は「『FWは落としたらすぐに動き出してほしい』という指示もあったが、(それは)自分の得意とするプレーなので、どんどん出して行ければ」と意気込む。
1年5カ月ぶりの代表復帰となるハーフナーは今季のオランダリーグで13得点を記録している。純粋に194cmの高さが加わることで、クロスからの得点力が増すだけでなく、引いた相手に対して前線に当て、周りがフリックプレーで飛び出すという攻撃パターンも選択肢になる。ただ、SBの酒井高徳が「それでもつないでしまう現象が出たときもあった」と認めるように、ここまでの代表チームではそこを生かし切れていたとは言いがたい。彼の特長を周りが共有できれば、得点を取るバリエーションも増えるはずだ。(河治 良幸)