不安定な王者の最終ラインを強襲。甲府の策がハマる
チームとしてどう戦い、どう勝ち点を得るのか。それが徹底されていたのがどちらなのかを、結果は如実に示した。
甲府にとってはリーグ戦で川崎F(J1・1st第4節・0●4)に大敗を喫した直後の試合。 「その完敗を引きずりたくなかった」という佐久間監督の指示の下、まずは二ウソンをターゲットにしたシンプルな戦いで試合に入る。すると6分、二ウソンとのパス交換でペナルティーエリアに侵入したビリー・セレスキーが、幸先良くゴールを挙げて甲府に勇気を与える。 逆に鹿島にとっては痛恨の失点。西が右CB、三竿が左SBと、本職ではない二人が最終ラインに入っただけでなく、永木や櫛引など三竿を含めた3人が移籍後初先発し、ただでさえ不安定になる試合の入りで出鼻を挫かれた。
その後、試合運びに落ち着きを取り戻した鹿島だが、甲府も徹底した戦いを見せる。[5-4-1]の布陣でスペースを消し、ボールを奪えばクリスティアーノが抜群の推進力で前に運ぶ。ピンチを招けばGK岡西が立ち塞がり、鹿島に同点弾を許さない。
45分、右CKから2度のシュートをGK櫛引に阻まれたものの、最後に二ウソンが押し込み、願ってもない追加点を得て甲府は前半を終えた。「後半は、鹿島の持ち駒を見ればひっくり返す力があると思っていた」と言う佐久間監督は、ここで見事な采配を見せる。60分、後半から左SBに入った山本に1点を返されると「2-1で終わるため」(佐久間監督)の戦い方にシフト。押し込まれた左サイドに交代策を駆使してフタをし、1点のリードを守り切った。
次は連敗しているホームでの大宮戦。佐久間監督は「何がなんでも勝利したい」と意気込んでいた。(田中 滋)