スコアレスドローも、両軍にとって今後への期待を膨らませた若手の奮起
圧倒的にボールを支配し、相手の倍以上のシュートを打った川崎Fとしては勝ちを逃した試合と言えるかもしれない。ただ、相手のカウンターから失点するピンチが幾度かあったことを考えれば悪くない結果であったと捉えるのが正解だ。風間監督も「結果は若干、残念ではあるけれども、いくつかいいところがあった」と会見の冒頭で述べ、不満よりも手ごたえを得たこと示した。そして、前向きに捉える姿勢は横浜FMも同じで、栗原は「若手がとても頑張った。勝ちに等しい引き分け」とこの結果を驚くほどポジティブに捉えた。
先にも述べたとおり、開始直後からゲームを優勢に進めたのは川崎F。ポゼッション率は8割近かったのではないだろうか。感覚値ではあるがそう思わせるほど、前半の45分間は試合を支配してチャンスも多く生み出した。しかし、GK榎本の好セーブに幾度となくシュートを阻まれると、後半には前田や途中出場の遠藤らの縦への推進力に手を焼き、ヒヤリとする場面を頻繁に迎えた。だが、川崎Fも今季公式戦初出場であるGK新井が好セーブを見せて乗り切る。
両守護神の活躍が光る展開で、勝ち点1を分け合う結果になったのだが、チャンスを多く創出できていた川崎Fとしては、後方で新井を中心に耐えていた守備陣に報いるためにも、ゴールを決めたかった。「決め切るというところで、もうちょっと差を出したかった」と谷口も悔やむ。
とはいえ、グループステージ初戦での黒星を避けられたことは決勝トーナメント進出を考える上で悪くない結果であり、同グループで今節勝利したのは仙台のみという結果を見ても、悪い滑り出しではない。ただし、次節の重要性が高まったことは、間違いない。(竹中 玲央奈)