前半に試合を支配したのは松本。序盤から精力的なプレスで高い位置でのボール奪取に成功し、サイドを起点に相手陣内へ進攻。22分に右CKのチャンスを生かして飯田のヘディングで先制。前半は1点をリードするなど狙いどおりの試合運びができていた。
しかし、後半は暗転。「ハーフタイムに庄司くんと話し合って、距離感が良くなった」という三幸の言葉どおり、中盤が活性化したことで山口のパスサッカーが機能。両SBの縦パスも危険な位置に入るようになり、松本は完全に後手に回る。52分のオウンゴールの場面もボールホルダーへの寄せが甘くエリア内へ複数の選手の侵入を許してしまっており、7分後にはGKシュミットからの“プレゼントパス”を三幸が拾いスルーパス。岸田の逆転ゴールにつなげる。松本にとってはミスが絡んだ末の自滅による2失点だった。
そこからは、まさにシーソーゲーム。79分に田中が自ら得たPKを決め、その3分後には岩間が左足で逆転ゴール。今度こそは松本が勝ち点3を手中にすると思われた後半ロスタイム、途中投入の原口が同点弾。二転三転の末のドロー劇だった。
お互いに勝ち点2を失ったとも勝ち点1を得たとも言える幕切れ。しかし、ミスにより自ら流れを手放した松本にとって「サッカーの神様にしっぺ返しを食らった」(反町監督)という指揮官の言葉は言い得て妙であった。(多岐 太宿)