速い攻撃と集中した守備。熊本の完勝
左サイドでセカンドボールを拾った岡本が中央へボールを出してからの熊本の展開は速かった。ボールを受けた上村が1タッチで右サイドへパスを送り、藏川はタックルに来た長崎の上本をかわすと、そのままゴール前へクロス。そして、最後はニアへ飛び込んだ清武が、ダイレクトで合わせてゴールネット揺らした。7分、熊本で最も勢いに乗る男による、熊本が目指す素早い攻撃からの得点―。
それはキックオフと同時に前線から積極的にプレッシャーを掛け、ゴール前に迫っていた長崎の勢いをそぐには十分な一撃だったと言っていいだろう。その後、攻守ともに形は作りながらもミスが重なり、歯車が噛み合わない長崎に対して、熊本は早く鋭い攻撃で追加点を狙い続けた。このとき、長崎が1点を奪うことができれば、流れは大きく変わったかもしれない。だが、30分に小野寺がゴール前フリーで放ったシュートはGK佐藤が防ぎ、その後も散発的な長崎の攻撃を熊本の守備はシャットアウトし続けた。逆に41分、今季ここまでノーゴールだった平繁が、小野寺にゴール前で倒されてPKを獲得。これを自ら決めて点差を広げることに成功した。
後半、長崎は村上、ロドリゴを投入し、システムも2トップへ変更。攻撃の圧力を高めてゴールを狙ったが、園田拓、植田、上原を中心とした熊本の守備陣は集中力や落ち着きを切らすことなく守り、長崎にほとんどチャンスを作らせない。逆に74分に投入されたFW齋藤が再三、決定機を作るなど、最後まで熊本のペースは崩れることなく試合終了。「全員が勝とうという気持ちを出して戦ってくれた」(清川監督)という内容で、長崎とのバトルオブ九州を制した熊本が、C大阪を得失点差で上回り、首位に立った。(藤原 裕久)