Photo: Atsushi Tokumaru
非公開で行われた27日の紅白戦(10分×2本)について、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「ボールの素早さ、スピードなど、みなさんがわれわれの紅白戦を見られたら良かった」と絶賛し、長谷部誠も「インテンシティーの高いゲームだった」と語るなど、選手も手ごたえを感じていた。
それを受けて、シリア戦の布陣は[4-3-3]。立ち上がりから速いビルドアップでフィジカルに優れるシリアDFを翻ろうし、高い位置で起点を作った。その中でトップ下の香川真司がワンタッチでチャンスに絡み、左の宇佐美貴史や追い越した長友佑都がワイドからのラストパスやクロスに持ち込む。あるいは右の本田圭佑を起点に酒井高徳が攻め上がるなど、左右からバリエーションのある攻撃を繰り出した。
しかし、そこに連動していくイメージの共有が追い付いていないのか、ゴール前16mで相手に体を張られてしまう。得点を決め切れないだけでなく、相手陣内のセカンドボールを拾われたところでつぶし切れず、危険なロングカウンターを受けた。最終ラインが粘り強い対応を見せ、シリアの精度にも助けられた部分はあるが、似たシチュエーションでイランや豪州が相手になることを想定すれば、攻守の切り替えによるリスク管理はもっと徹底していくべきだろう。終盤は鮮やかなカウンターなどから4得点を加えたものの、シリアに押し込まれたところから大ピンチもあった。
2次予選の最終戦、これまでの日本代表にないスピード感で組み立てからフィニッシュまで完結させるトライをして大勝できたことは収穫だ。しかし、その中で判断の共有と精度、リスク管理、体力面を高めていかないと、相手が強くなる最終予選では、このコンセプトで安定したサッカーを実現することは難しいだろう。 (河治 良幸)