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[日本代表]ここはまだ通過点 。されど示した成長の跡/W杯アジア2次予選シリア戦マッチレポート

2016/4/1 6:00


Photo: Getty Images

指揮官いわく「われわれはようやく1階を作った」

 価値あるトライと価値あるミス、そして価値ある勝利。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督がW杯アジア2次予選の“ファイナル”と位置付けたホームのシリア戦はファンに『こういうサッカーをしたい』というビジョンと意欲を示すパフォーマンスだった。システムはアフガニスタン戦で採用した中盤ダイヤモンド型の[4-4-2]から従来の[4-3-3]に戻したが、速いテンポでボールをつなぎ、積極的に縦パスを入れて起点を作る。また、ボールを失っても高い位置でプレシャーを掛けて奪うなど、これまでの代表チームでもあまり見られなかった高いインテンシティー(プレーの強度)を見せた。

 17分の先制点は左のショートCKから香川真司が入れた高速クロスに国際Aマッチ100試合目の岡崎慎司が合わせに行き、相手GKのアルマがパンチングではじいたボールがDFアル・マッスリーに当たるラッキーなオウンゴールだったが、そこまでの攻勢が呼び込んだと言っても過言ではない。そこから中央と左右を織り交ぜた攻撃で追加点を狙うが、惜しいところで観客のため息を誘うシーンが多かったのも事実だ。

 55分に中盤の空中戦で山口蛍がアルムバイドと交錯し、顔面を強打(鼻骨と左眼窩底骨折と診断)して交代を強いられたが、代わりにボランチに入った原口元気が縦の推進力をもたらした。逆に守備の間延びを生んだことで危険なカウンターを招いた場面が増えるも、相手CKの裏を突く形で原口、宇佐美貴史、香川、長谷部誠と渡り、本田圭佑のパスから香川の鮮やかな左足ボレーによる2点目につながった。終盤には清武弘嗣と香川の連係から本田のヘッド、セカンドボールから香川、長友佑都のクロスに原口が合わせ3得点を追加。5-0の勝利で2次予選の首位を確定させた。

「1階、2階を作って、3階はW杯。われわれはようやく1階を作った」と語る指揮官は最終予選に向けたチーム作りの第二段階に着手する。(河治 良幸)

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