ナビスコカップでは2試合6失点と崩壊気味だった鹿島の守備だが、リーグ戦では4試合1失点とリーグトップの堅守を誇ってきた。彼らだけの功績ではないが、やはり3人全員がそろうと威圧感が漂う。昌子、植田がチームに戻り、温存されていた曽ケ端もゴールマウスに収まった。いつものメンバーがゴール前に立ち塞がる。
わずか1失点しか許していない原動力を、曽ケ端は「チーム全体の力」だと言う。「 前からの守備もそうだし、球際のところもそうだし、あとは我慢強くやっていれば点を取れているというところもそう。うまくいかない時間帯もある中で、チームとして我慢強くチャンスをうかがえている。そういう中で、厳しいゲームをモノにできている感じはある」
また、若い二人の成長も少なからず認めている。「(昌子)源は能力があるし、波があった部分も意識で変えられる部分があった。ナオ(植田)も代表(U-23日本代表)から帰って来てすごく良くなった。お互いにやらなきゃ、という気持ちにつながっているだろうし、お互いの負担も減っていると思う。個々でレベルアップしていけば、チームとしてもさらに良くなっていく」
安定感と責任感が出てきた昌子と植田にとって、川崎Fはかつて辛酸を舐めた相手でもある。2年前の5月(J1第13節・1○4)、二人は大久保と小林にそれぞれ2得点を許して大敗を喫した。その屈辱は、いまでも胸に刻まれている。当時はまだまだ、周りの選手に付いていくので精一杯だったが、いまではチームを引っ張る存在になってきた。
昨季は5連勝の最中に等々力で対戦し、良い流れに乗りながら3-1で連勝を伸ばすことに成功した。いわば流れに乗った勝利とも言える。しかし、いまは最悪の状況。その意味で、この一戦は4試合1失点という数字の真価が問われる。(田中 滋)