Photo: Atsushi Tokumaru
■FC東京
中断期間は自分たちのサッカーに軸足を置く
3月31日、FC東京は試合2日前の練習を急遽非公開に変更した。その理由について城福監督は、「リーグが中断期間に入ると、『けが人の状態は?』とか『誰が間に合うのか』とか気になるものだと思う。選手のコンディション確認を全部公開する必要はないかなと思った」と話した。この期間で多くの離脱者の出場に目処がたったことで、指揮官としては起用法や采配の幅が広がっていることは間違いない。
「(復帰した選手たちの)いまのコンディションを考えながら、90分間をデザインしたときに、われわれの最大値をどこまで出せるのか」(城福監督)。駒野やハ・デソンといった今季リーグ開幕前から離脱していた新戦力に、平山や林といった昨季から長期離脱していた選手も含めて、彼ら復帰組が試合の中でどこまで本来の力を発揮できるのか。途中交代を含め、選手の状態の見極めは名古屋戦の焦点として挙げられる。
前節、アウェイで鹿島相手に0-2と敗れただけに、連敗は避けたい。「中断期間前までは練習では体力の回復と相手対策ばかりに追われたが、ここ1週間は自分たちのサッカーに軸足を置いた練習ができた」(城福監督)。よって、負けられない再開戦では特に攻撃面で目に見える変化が重要になってくる。具体的には、前線の連係面で上積みがあるかがポイントである。
その上で、指揮官は「高さのあるシモビッチだけでなく、その周りにいる機動力のある選手の躍動を抑えられるか」と名古屋対策も怠らない。ボランチの橋本も「相手の右サイドからのクロスに要注意」と、シモビッチの高さを生かす古林や矢野からのボールにも警戒する。そして日本代表から戻った主将の森重も、「ピンポイントで競り合うのは厳しい。僕らが競り負けないだけでなく、いかにクロスを送らせないか。チームとして対策を共有したい」と、すでに大事なリーグ戦に頭を切り替えている。相手の長所を封じた上で、攻撃で伸びシロを示す。それが、勝利には先決だ。(西川 結城)
■名古屋グランパス
イ・スンヒ欠場濃厚。メンバーは流動的
仕切り直しである。
ナビスコカップで2連敗を喫してしまった小倉グランパス。特に直近の第2節・湘南戦(0●1)ではチームが完成されていないことをあらためて知る惨敗となった。だからこそこれを“良薬”にできるか。リーグ戦の1stステージで4位につけるチームにとっては、優勝戦線に生き残る意味でも非常に重要なリスタートの局面となる。
とはいえ、ここまでのリーグ戦と同じメンバーで臨むことは難しそうだ。リーグ中断後から一時帰国中のイ・スンヒは諸事情からいまだチームに合流できておらず(3月30日時点)、今節の欠場が濃厚。負傷を抱える田口も大事を取る形で3月30日の練習を回避しており、同日の紅白戦では主力ボランチが不在。ピッチには新たな顔ぶれが並んだ。
「もっとつなぐことにトライしていい」と話すのはボランチに抜擢された小川。ビルドアップ時に顔を出す人数が少なく、最終ラインから安全策のロングボールが連続してしまった湘南戦を見つめ直し、「ボランチで出るなら、自分のところで工夫しながらポゼッションを高められるようにやりたい」と意気込む。もちろん田口が復帰する可能性も十分にあるが、野田や小屋松のトップ下起用も含め、小倉監督はひとまず新たなオプションを試している。
そして「またセットプレーでやられてしまったかという印象」と湘南戦を振り返ったのは指揮官だ。ここまでの公式戦7失点のうち4つがスローインとCKから喫した失点。リスタートはこれまで指揮官が「遅い!」と口酸っぱく訴えてきた要素だった。スローインから展開されてピンチを招く場面や雑なリスタートからもったいないボールロストが目立つ名古屋だけに、集中力の欠如からリズムを失うことだけは避けたい。
良薬は口に苦し―。発展途上のチームはナビスコカップ2連敗を4月に向け“良薬”とできるか。(村本 裕太)