Photos: Atsushi Tokumaru
FC東京は勝利するも、試合運びに課題が残る
シーソーゲームの結末は、ホームチームの勝利。ただ、どちらが勝ってもおかしくなかった試合だったことは間違いない。
高さのシモビッチ、速さの永井。名古屋の両アタッカーが持つ一芸は、紛れもなくJリーグ随一のレベルにある。分かりやすい武器だけに頼ることなく、小倉監督はポゼッションや連係プレーなど、より組織で相手を崩す方策を目指す。ただ、せっかく保持した宝を披露しない手はない。セットプレーではFC東京守備陣はどうしても199cmのハイタワーに気を取られ、それが17分のCKからの先制点につながった。また76分の同点弾も、矢野の高精度のクロスにトップスピードでゴール前に入っていった永井が決めたモノ。「いくつか手ごたえがあった。狙ったことも出せていた。率直に言って(負けは)悔しい」。小倉監督の感想も頷ける、名古屋のパフォーマンスだった。
FC東京は試合がオープンになり始めた後半、攻勢をしかけ、勝利につなげた。途中出場の橋本が攻守でインテンシティーの高いプレーを見せると、平山の復帰弾も生まれ、試合の流れをつかんだ。永井の同点弾に直面するも、その失点の遠因となるミスを犯した小川のCKから最後は主将・森重が決勝点を決めるというあたりも、ドラマチックな展開だった。
ただ、城福監督は「イヤな展開で勝ち点3を取れたことは良かった」としながらも、「コンパクトな時間帯、相手がソリッドなときにチャンスを作れない。技術と判断を磨かないといけない」と自省を込めて語った。派手な殴り合いでの勝利は爽快感が残る。一方で、盤石な試合運びにはほど遠い。貴重な勝ち点3だが、FC東京にとっては塩味の勝利でもあった。(西川 結城)