リーグ戦で連敗を喫し、12位に後退。痛恨の逆転負けを喫したものの、この横浜FM戦では確かな光明も見えた。「アデミウソンが入って、新たな攻撃の形が見えた」。公式戦3連敗という苦境の中で長谷川監督が収穫に挙げたのは、加入後初ゴールを決めたアデミウソンのパフォーマンスだった。
開幕からその置きどころを見いだしあぐねていた指揮官は、2列目に宇佐美と倉田、アデミウソンの3人を配置。始動直後に描いていた青写真を、初めて実戦の場で起用した。19分の先制点は、その前線3人の“個”が輝きを放って生まれたファインゴールだった。宇佐美のピンポイントクロスを起点に、ブラジル人コンビでフィニッシュを完結。「前後半を通じて、今日はボールを回せた」と遠藤は振り返ったが、ボール保持をしながら主導権を握るG大阪本来のスタイルは随所で発揮されていた。
攻撃の中心にいたのは、くすぶり続けていたブラジル生まれの逸材だ。「アデ(アデミウソン)が良いアクセントになっていたし、良い形の攻撃が出ていた」(宇佐美)。シュート数こそ2本にとどまったものの、この日の背番号9は積極的な仕掛けや前線でのタメで奮闘。パトリックが起点として機能し切れなかったものの、宇佐美との連係には今後への期待感を感じさせた。 遠藤のPK失敗で同点とはいかなかったが、逃げ切りモードに入っていた横浜FMの守備陣を崩してPKを奪取したのも宇佐美とアデミウソンのコンビネーション。長谷川監督も言う。「非常に堅守なマリノスから、自分たちの意図した形でチャンスが作れた」。
守備力では阿部や大森に劣るものの、やはり攻撃で違いを作り出せるのが横浜FMで用いられた2列目のタレントたちだ。「試合を重ねることでしか得られない連係がある」と振り返ったのはアデミウソン。この先も連戦が待ち受けるが、いまのG大阪に必要なのはターンオーバーではなく、ベストの顔ぶれで連係を深めていくことだ。(下薗 昌記)