20分、中央でボールを受けた内田はダイレクトでDF裏にふわりと浮かしたパスを送る。向かい風によって勢いを殺されたボールを三島が相手DFと競り合いながらゴール前に運び、そのまま流し込んだ。
勝利を手にすることができなかったこれまでの5試合との違いがそのシーンに表れていた。「相手の背後を狙うことは今週の練習でやってきたこと」(三島)。今季の水戸は「つなげる選手が多い」(西ケ谷監督)ぶん、中盤で時間をかけ過ぎて相手に守備を整えられてしまい、攻め込みながらもゴールを奪えない試合が続いていた。その流れを断ち切るために、チームの長所であるポゼッションをあえて封じ、相手の背後を突いていくシンプルな攻撃を徹底した。
そして、最終ラインから前線にロングボールを蹴り込んでくる群馬の攻撃に対して、引くのではなく、前線からプレスを掛けて対応。攻守において、相手DFに圧力を掛け続けた。それが奏功して、今季初の先制点が生まれることとなった。
その後、追加点を奪えず、終盤は浮き足立ってピンチを招くなど課題も多く見えたゲームではあったが、何より欲していた勝利を手にしたことは最大の収穫。「われわれの目指すサッカーではなかったものの、サッカーの本質である戦う部分を出してくれた。これをベースにしていきたい」と西ケ谷監督。反撃の4月へ、苦しみ抜いてつかんだ勝利を起爆剤にしたい。(佐藤 拓也)