勝てなかった試合か、負けなかった試合か。試合後の会見で松本の反町監督が「どちらに転んでもおかしくなかった」と振りかえったとおり、相手のストロングポイントを消す手腕に優れた両監督の対決は、最後まで譲らずドローに終わった。
7分、GKシュミットのキックから、一気に長崎ゴール前までボールを運んだ松本は、DFのクリアミスを突き、工藤がシュートを決め先制に成功。しかし13分、高い位置でボールを奪った長崎がサイドを広く使い、右サイドの中村の突破から永井が落ち着いてゴールを決め同点に追い付く。この後、互いが球際に厳しく迫る展開が続き、試合はこう着状態となった。鹿島から加入したばかりのFW高崎の高さを生かした攻撃を見せる松本に対して、長崎は70分過ぎから松本大輝、佐藤を投入し、松本ゴールへ迫って行く。しかし、両チームともにゴールを割ることはできず、勝ち点1を分け合った。
試合後、高木監督が「アグレッシブさが出た」と語り、反町監督が「向こうのプランどおりだったかもしれない」と振りかえったとおり、シュート数こそ松本が上だが、全体的に長崎のほうが優勢に進めたゲームと言えるだろう。しかし、得た勝ち点はともに『1』。この勝ち点を反転攻勢のきっかけとできるのはどちらか。それが本当の意味で、この日の勝者を決めるはずだ。(藤原 裕久)