危なげない勝利だった。
90分通じてのシュート数は磐田の『11』に対して甲府が『7』。一方、後半は2対5と甲府の反撃を許しているが、ピンチはほとんどなかった。危険な場面でも磐田は一人ひとりが体を張ることで、相手のチャンスをつぶし、無失点で試合を終えた。
前半は完全に磐田がワンサイドゲーム。開始早々の1分に松井の美しいゴールで先制すると、人もボールもよく動くサッカーを披露した。自陣で守りを固める相手に攻めあぐねる場面がなかったのも、パスの出し手と受け手のイメージが共有されていたからであり、そこに複数の選手が絡むことで相手にプレスの的を絞らせなかった。後半も早々に松井がクロスのこぼれを拾って左足で狙ったが、惜しくもポストに嫌われる。するとこの直後、甲府が息を吹き返す。クリスティアーノの個人能力はやはり別格で、怖さもあった。背番号10の推進力を足がかりにアウェイチームが攻撃に打って出る。それでも磐田のゴールネットが揺れることはなく、最終的には今季初完封で勝利を飾った。
前後半でパフォーマンスの差はあったが、磐田が勝つべくして勝ったと言える試合だった。名波監督も「イメージとして悪くないし、リスクマネジメントという意味では、前に人をかけ過ぎなかったところなど非常にバランスが取れていて良かった」と収穫を口にした。(青木 務)