38分にペク・ソンドンの得点で先制した鳥栖。次の1点を取りに行く姿勢は見せていたが、中身が伴っていなかった。「1-0で守り切るという戦い方を選ぶチームではない」。マッシモ・フィッカデンティ監督は自分のチームをそう見ている。だからこそ、「2点目、3点目を取って、はっきりとした形で試合を終わらせないといけない」(フィッカデンティ監督)。守ろうとして守るのではなく、攻める姿勢を保つことで勝ち切ろうとしている。実際に先制後も攻める姿勢を見せ、チャンスは作れていた。今季の鳥栖にとっての“攻める”とはボールを保持しながら押し込んでいく形。しかし、実際には「リスク回避だけを考えるような戦いになっている時間が多かった」と林が言うように、自陣からボールを遠ざけたいがために性急な攻めになっていた。仙台が前がかりになっていたためにそれでも裏を突く形でチャンスにはなっていたが、鳥栖が望む本来の攻めの形ではなかった。
一方の仙台は「鳥栖は60、70分過ぎから(運動量が)落ちる」と後半勝負の姿勢を見せていた。ただ、実際は鳥栖の運動量が落ちたというより鳥栖の攻めが縦へ急ぎ過ぎ、すぐにボールを失うため、自陣に張り付く形になった。それが結果的には仙台には狙いどおりの展開になったことで同点弾が生まれた。鳥栖の拙い試合運びもあったが、仙台もそこで得た好機を見逃さなかった。(杉山 文宣)