■鹿島アントラーズ
慌てず騒がず。余裕を持った守備で堅守を維持
鹿島の守備が好調だ。リーグ戦5試合を終えてわずかに2失点。5得点しか奪えていない攻撃力は少しさびしいが、それでも勝ち点10を稼げているのは守備力の支えがあってこそ。ひさびさに堅守と呼べるチームカラーが戻ってきた。昌子、植田の両CBは期待どおりの成長を見せ、リーグ屈指と呼べる鉄壁の守備を築き上げようとしている。昌子は、どんな対戦相手に対しても1失点に抑えようと植田と話しているという。
「最近は得点力不足だったけど、1点取られても引き分けなり勝ち越しなりできる。最低1(失点に抑える)というのは僕とナオ(植田)が出ている試合は守れている」
もちろん、ゼロに抑えることは理想としている。しかし、あらかじめ1失点までは想定していることで心に余裕が生まれている。ナビスコカップ第3節の名古屋戦(3○1)でも、気を付けていたセットプレーから先制されるイヤな展開だったが、「1点はしょうがないと思っている」(昌子)と、慌てる様子はなかった。
CBの安定はGKのパフォーマンスにも好影響をもたらしている。J1セーブ率ランキングでトップに立つのは曽ケ端。失点数の低さだけでなく、そもそものセーブ数の少なさが目を引く。
“4強”の一つである広島には過去2シーズンで3勝1分と相性が良い。すばやくスライドする守備で相手の特長を消してきた。3連戦で肉体的にもキツいが「ここは頑張ってもらう」と石井監督。守備を安定させながら、アグレッシブに前から奪いに行く回数をどれだけ見せられるか注目だ。(田中 滋)
■サンフレッチェ広島
厳しい日程。ハイテンポな試合は避けたい
5日のACL第4節・ブリーラム戦に勝利(2○0)し、広島は公式戦4連勝を収めた。「自信もつかんできているし、内容も良くなってきている」(青山)。連勝中の4試合で喫した失点は『1』。失点が減ったことで広島らしい我慢強い試合を運びができるようになり、勝利を手繰り寄せることができるようになってきた。ただ、タイトルを争うような強豪から勝利を収めたわけではないことも確か。今節・鹿島戦は、いまの広島の実力を測る上で最適な一戦となるだろう。
しかし、中4日あるとはいえコンディション調整はかなり難しい。ブリーラムへ遠征したチームは7日の早朝に帰国し、帰広することなく千葉県内でトレーニングを行って鹿島戦に備えている。「本当は広島に帰りたいけど、チームがベストだと思ってやることだし、鹿島戦がそれほど大事だということは分かっている」(青山)。できるだけ移動の負担を小さくしたクラブ側の配慮からも、今節の重要さがうかがい知れる。酷暑のブリーラムで選手たちが負った心身のダメージは小さくないだけに、どこまで回復できるかもカギになる。
遠征に参加せずフレッシュなミキッチ、ピーター・ウタカ、宮原のエネルギーをうまく生かしながらゲームを進めていきたいが、前半からハイテンポなゲーム展開になることは避けたいところ。鹿島がハイプレスを掛けてくれば、単純に最前線のウタカに頼るのも有効な手段になるだろう。そして、失点しないことが何よりも重要だ。3バックとGK林のハイパフォーマンスが勝利するためには欠かせない。(寺田 弘幸)