前節・仙台戦(3●0)を負傷によって欠場した浅野の代わりに最前線に立ったピーター・ウタカ。2得点という結果だけでなく、要所で力強いキープ力を発揮して存在感を示した。カウンター時により良い判断ができていれば、ハットトリックを達成することもできただろう。1トップにウタカが立つ布陣は、オプションとしてではなくメインになっていくかもしれない。そんな予感を感じさせる内容だった。
セルフィッシュなプレーは選択せず、周囲と連係してゴールへ向かうタイプのウタカがここまでリーグ最多のシュートを放っているのは、それだけ彼の能力が高いということ。枠内シュート率が高いことも、そのことを示している。そして、彼にマークが引き付けられることで周囲に時間とスペースが生まれるようになってきた。高さはウタカのストロングポイントではないため地上戦が主になるが、サイドアタッカーたちもゴールラインまでドリブルでしかけたり、中央でコンビネーションを使ったり、新しいパターンを模索しており、ウタカの特長を生かした16年版の攻撃の形が見え始めている。
守備の負担を減らすためにも前半はウタカを1トップに配置してスタートし、試合展開次第でベンチに控える佐藤、皆川と共存することも可能だ。スピードスター・浅野を失ってしまっているが、決してスケールダウンしないだけの陣容が広島にはそろっている。( 寺田 弘幸)