けがによる離脱者が多く、厳しいチーム事情にあるのは間違いないが、暗いニュースばかりでない。3月末のW杯アジア2次予選で日本代表に招集され、アフガニスタン戦に出場したものの負傷した小林は前節の鹿島戦(1△1)でフル出場を果たし、貴重な同点弾を呼び込むプレーを見せた。また、開幕前に右腓腹筋の肉離れを発症し、2カ月近く戦列を離れていた武岡も同試合で復帰。前者に関しては鹿島戦で右足の状態をさらに悪くしてしまい、試合後に「(万全には)戻らないと思う」と語ったものの、彼がいるのといないのではだいぶ違う。トップコンディション時と比べミスこそ目立つが、絶妙なタイミングで相手を外してボールを受け、深い位置でも起点を作れる彼の存在は川崎Fの攻撃のギアを上げるにあたって必要不可欠である。
そして、守備面で武岡の復活は心強い。チーム屈指である守備における圧倒的な1対1の強さは、前方にいるサイドハーフの選手に“攻撃に集中させる”ことができる。特に昨季は彼の存在がエウシーニョの攻撃性を引き出していた。今季最初の試合が鹿島戦であり、対面にいたのがリーグでも屈指の縦への推進力と突破力を持つカイオだったことで難しさはあったものの、感覚を取り戻すには絶好の相手でもあった。6日の試合にも先発出場し、体力的にも厳しいかもしれないが、プロデビューを果たした古巣である鳥栖を相手に、気を吐いてほしいところである。 (竹中 玲央奈)