大宮が後半に逆転。2年前の借りを返し、6位に浮上する
名古屋は好機の場面で攻め切れず、苦しい展開の中で踏ん張れなかった。手ごたえがあったからこそ、名古屋の誰もが“やり切れなかった後半”を悔やんだ。
振り返れば9分にドラガン・ムルジャが絶好機を逃すと、徐々に名古屋のリズムとなっていった。後方からボールをつなぎつつも、高さと速さを生かした攻撃を有効的に使っていく。ここ最近はポゼッションの向上に意識が行きがちで自分たちの武器である高さや速さとの使い分けに課題を残していたが、攻撃の完結を示す一つの指標であるCKは前半だけで6本。「敵陣深くまで押し込めていた」(田口)との言葉どおり、CKから得たPKでリードを奪った。
しかし、その後が続かない。後半早々にはプレスの強度を高め“良い守備からの良い攻撃”を形にするものの、決定機になりかけたところで失敗するなどシュートで終われず、たびたびカウンターを許してしまう。攻め疲れの影響もあって運動量が激減し、名古屋は自らオープンな展開を招いてしまった。
そしてスムーズな攻撃を展開し始めていた大宮がスコアをひっくり返す。スペースが広がる中、CKの攻め直しを同点弾につなげると、79分にはカウンターの流れから泉澤のJ1初得点で逆転。リーグ4試合ぶりの勝利の味をかみしめたのは渋谷監督だ。「2年前、ここで行われたJ1第33節(名古屋戦・1●2)の後半ロスタイムに点を取られて負けて、次の試合に勝っても(C大阪戦・2○0)降格してしまった。自分の中でそうした思いのあるスタジアムであり、相手でもあった」。
J1に帰ってきた大宮。リーグ戦のアウェイ・名古屋戦で一度も勝利のなかったオレンジ軍団が、2年前に辛酸をなめた場所で負の歴史に終止符を打ち、上位に行くための「大切な1勝」(渋谷監督)を手にした。(村本 裕太)