マイナスをプラスにした甲府。 湘南は“悪い”と向きあうべき
“悪くないのに勝てない”17位・湘南にとって、同じ1試合でも15位の甲府戦は優勝争いをする川崎F戦(1st第2節・4△4)や浦和戦(1st第4節・0●2)とはまったく違う試合だ。上位相手ならエクスキューズを入れてもらえるが、予算規模が同じ甲府相手では“悪くないなら勝て”という厳しい立ち位置。
5分に警戒していなかったショートコーナーから津田に先制点を許してしまうが、湘南の内容は確かに悪くなかった。クロスやCKから決定機を作り、アタッキングサードでの積極的なドリブルやワンタッチパスの連続は脅威を与えた。ただ、バスケットボールのようには簡単に点を入れられないのがサッカーである。
一方、守備の要の山本を出場停止で欠く甲府だったが山本の不在はプラスでもあった。8日の紅白戦で仮想湘南チームのCBに入った山本は先発組に対して「いまラインを上げろ、遅い」など、湘南視点で叱咤しアドバイスを送った。それを受けたCB畑尾は今季のリーグ戦初先発のチャンスに、山本にない高さも生かして守備リーダーの役割を果たした。
57分に得たPKを高山が決めて追い付いた湘南は勝ち点3のチャンスを引き寄せたが、それを結果につなげることはできなかった。長谷川を投入して縦のクサビから甲府の堅い守備をこじ開けようとしたが、押し込むまではいっても地上戦でも空中戦でもこじ開けることはできなかった。甲府がチュカ、吉野と質は高いが運動量が低下する攻撃陣を入れたことで、一層湘南有利になるかと思われたが、前掛りになったところでカウンターを受け、チュカとクリスティアーノの質とスピードに対応できず追加点を許してしまう。湘南は“悪くない”が呪いの文句になる前に、“悪い”と向き合う必要があるのではないだろうか。(松尾 潤)