前節(長崎戦・1△1)は敵地で勝ち点1に終わった松本だったが、すでに光明は見えていた。この日アルウィンデビューを飾った高崎は持ち味を遺憾なく発揮し、ホームでの今季初勝利に貢献した。
55分の得点場面を振り返ろう。那須川が左SBの裏のスペースにボールを出し、走り込んだ高崎がキープして時間を作る。攻め上がった那須川が再びボールを受けると、ワンタッチで逆サイドへクロス。田中のヘディングシュートはポストに阻まれたものの、そのはね返りを工藤が冷静に押し込んだ。那須川が「高崎さんに一度当てて、相手の守備陣形を崩すことができた」と笑顔を見せれば、高崎自身も自らの得点がなかったことは反省材料としながらも、「うまく起点になれた」と納得の表情だった。
早くもチームに馴染みつつある高崎のプレーを見て、交代場面で悔しい表情を浮かべた山本やブラジルでのリハビリから戻ってスタンドから戦況を見つめていたオビナなどは危機感を抱いたのではないか。この点でも高崎の存在感は大きい。
一方で危惧もある。「まだ長いボールが多い。もっとつなげる場面はあった」と指摘するのは殊勲のゴールを挙げた工藤。高崎が前線で強さを誇るがゆえに、攻撃がそれ一辺倒になっては、これまでの苦労も水泡に帰す。特効薬は効果が強いだけに、用法、用量を守った正しい服用が必要となる。(多岐 太宿)