Photo: Atsushi Tokumaru
ベンチの顔ぶれを見ると、ここ数試合攻撃の切り札となってきた平山に加え、ついにあのムリキが控えることになった。アジアの舞台を席巻してきた実力派ストライカーは「コンディションは70%」とまだ完調ではない。それでも、高さの平山と得点力に期待ができるムリキの“2枚”がそろったことで、間違いなくFC東京はビハインドの展開になったとしても相手に圧力を掛けられる準備は整った、はずだった。
試合は前半からFC東京がコンパクトな守備から流れるような攻撃につなげ、決定機を作り出していった。14分、左サイドを完璧に崩してゴール前で前田がシュート。27分、再び左サイドの攻撃から最後は逆サイドに位置した河野が左足を一閃。しかしこれらは柏のGK中村の好セーブに防がれた。さらに前半終了間際には前田のヘッドでの落としからゴール前で阿部がフリーに。ただこれもトラップミスで絶好機を逸してしまった。「先に点を取っていれば、ラクな展開だった。そこで取り切れないのが、自分たちの力」。米本が語るように、結果的に決め切れなかったことが徐々に自分たちの首を絞め、敗戦を招いた。
そして、ベンチワークもアクシデントによって狂ってしまった。河野が前半途中で負傷し、後半開始から橋本に交代。さらに6日のACL(江蘇蘇寧戦・2○1)での激戦と中国からの移動も相まって、徐々に青赤の選手たちの足が止まっていく。城福監督は、中盤のリズムを再び上げるために羽生を投入せざるを得ず、この時点で交代選手二人を使ってしまったため、平山とムリキの“2枚代え”が不可能となってしまった。
「(中国では)移動を含めて、ピッチ内外での重圧もあった。それを(体力低下の)エクスキューズにはしたくない。僕の口からは言いたくない」(城福監督)。厳しい連戦でも試合をモノにしていくことは、タイトルホルダーへの道には不可欠。そんな中での唯一の好材料は、ムリキの起用にメドが立ったこと。「思っていた以上に動けた」と本人も前向きに語っていたことが、次節以降に向けたポジティブな要素だった。( 西川 結城)