清水は今季アウェイでの試合は全勝ながら、いまだホームで勝ち星なし。それどころか、得点すら挙げられていない。「何が悪いのかよく分からない状況になってしまっている」と、試合後に河井が話していたのも無理はない。
その河井が落ち着いて試合を振り返り、「今日は個人に頼り過ぎていた印象が強い」と絞り出すように語ったが、そこに清水の課題が垣間見える。この試合で言うと、ミッチェル・デュークのパワフルなプレーか、村田のスピードでしか好機を見いだせない状況だった。実際、その二人は、局面、局面でスタジアムを沸かせるプレーをしている。しかし、得点の匂いはほとんど感じられなかった。デュークの献身的なプレーは確かに相手に脅威を与えていたが、シュート精度の低さは否めない。また、村田は果敢にサイドを突破してクロスこそ上げてはいるが、中で合わせる選手がいない。個人の良さがチームに還元されず単体でしか輝かないようでは、得点を奪うことは難しい。
この二人に共通するのは、“自分が何とかしなければいけない”という責任感の強い選手であるという点だ。その考えに至るのは、ホームで勝利を、得点を挙げられていないという状況があるからだろう。「目に見えないプレッシャー」と大前が語るモノが選手にのし掛かっているのかもしれない。
現状、清水で得点を奪える選手と言えば大前になるが、その大前を生かすような動きを周りがしているかといえば、そうではない。この日、大前はシュート1本にとどまっているばかりか、ボールを集めることもできていなかった。得点を取るべき選手が実際に得点を取る効果はチームにとって計り知れない。そこがなおざりになっている感がある。
まずは大前に得点を取らせるために、チームとして何ができるのか。そこに立ち返ってもいいのではないだろうか。清水は、次節もホームでの試合が待っている。早急に解決しなければ、深刻度は増すばかりだ。(田中 芳樹)