■ジュビロ磐田
指揮官が警戒するのはやはりトリコロールの10番。中村から自由を奪え
「俊輔だよ」
横浜FM戦のポイントを聞かれると、名波監督は即答した。ゲームをコントロールし、局面を激変させるパスを出し、そして自らも試合を決められる。トリコロールの10番への警戒心を、サックスブルーの指揮官は隠そうとしなかった。
中村から自由を奪うことがチームにとって大きなミッションとなる。高い位置にとどまらず広範囲に動いてボールをさばくスタイルのため、全員が彼に注意を向けなくてはならない。
怖いのはサイドチェンジだ。「特に両ワイドは自分で運べる選手なので、あっさりそこで1対1を作られるかもしれない。その辺はケアしないといけない」と名波監督が言うように、局面を変えられた際に磐田の選手たちのスライドが遅れれば、サイドを蹂躙されることになるだろう。
もちろん、守ってばかりではゴールも遠いが、横浜FMは相変わらずの堅守を誇る。5失点は鹿島、浦和に次いでリーグ3位の少なさである。名波監督は「失点が少ないのはやっぱりボックスの中でしっかり守れているから」と分析する。中澤、ファビオ、GK飯倉といった横浜FM“最後の砦”に綻びを見付けるのは簡単ではない。
また、高い位置ではボールを刈りに行く積極性も持っている。磐田はボールを奪ったあとのファーストプレーを重視しているが、横浜FMも奪われた瞬間に素早く切り替えてくる。そうした守りをかいくぐるためには何が必要なのか。名波監督は「足下でもらわずに背後を取る動きが大事になってくる」と話す。そして、「まずジェイが動き出すことがすべて」と最前線のストライカーに攻撃の起点となることを求めた。(青木 務)
■横浜Fマリノス
若手が勢いに乗る横浜FM。助っ人コンビの持ち味を生かせるか
連勝こそ『3』で止まったが、横浜FMを取り巻く雰囲気は明るい。ここまで公式戦3ゴールと結果を残している富樫がU-23日本代表候補合宿に、ユース出身ルーキーの遠藤はU-19日本代表候補合宿と、それぞれ年代別代表に初招集された。14日の練習からチームに戻った遠藤は「合宿は楽しかった。疲れているけど、心地よい疲れなので大丈夫」と笑顔を見せた。若い力が戦力となり、チームに勢いをもたらす。
気がかりは左太もも裏痛で浦和戦を欠場した齋藤の出場可否だ。14日時点では別メニュー調整が続いており、エリク・モンバエルツ監督は「私としては出したい気持ちがあるが、いまの段階では分からない。決断は明日」と明言を避けた。遠征メンバーに帯同するかは試合前日に決まる見込みで、仮に18人にメンバー入りしても時間限定での途中出場が濃厚だ。
シーズン序盤はなかなか結果が出ないため試合ごとに先発選手を入れ替えていたが、ここへきて主力は固まりつつある。その中でカイケとマルティノスの新加入助っ人コンビも引き続き先発に名を連ねる。1トップに入るカイケはまだ目に見える結果を残していないが、ゴール前でのシュートチャンスさえあれば精度の高さを発揮できる。前節の浦和戦(0△0)で守備に忙殺されたマルティノスも、縦へのスピードを生かせる展開になれば持ち味を出せる。チームの勢いをさらに大きくするためには彼らの活躍が必要不可欠となる。
堅実な守備をベースにしつつ、前線の個々の力を生かしてゴールを狙う。それが横浜FMの必勝パターンだ。昇格組との対戦では第2節に福岡と1-1で引き分けて勝ち点を取りこぼした。上位に居続けてタイトルを争うためにも、磐田戦での勝ち点3獲得が欠かせない。アウェイの地でも勝利を求めたいゲームだ。(藤井 雅彦)