Photos: Atsushi Tokumaru
昨季までと今季の明確な違いは何か。それを考えたときに、二つの点が挙げられる。一つは守備陣の耐久力。そして二つ目はチームの基盤の向上だ。
前者についてはこれまで本紙で幾度か触れたようにGKチョン・ソンリョン、DF奈良、DFエドゥアルドと“守る”ことに対して強みを持つタイプの選手が加入したことが大きい。そして、後者については「このサッカーができる選手が昨季よりも増えた」(風間監督)ことである。川崎Fは非常に特殊なサッカーをしているため、新加入選手は慣れるまで時間がかかる。しかし、今季新たに加入した奈良やエドゥアルドは失敗を重ねながらも、高い吸収力を見せて欠かせない存在となりつつある。狩野や森本も課題を残しながら、もとより備わっていた才能がこのチームにフィット。貴重な戦力となっている。
そして新加入の彼らを引っ張っていくのが、日々進化を見せる在籍年数の長い選手たちだ。小林、大島、中村、大久保らがこのチームにおけるあり方を背中で示しつつ自らも成長することで、新加入選手たちの良い見本となっている。彼らに追い付こうと新加入の選手たちのレベルが上がれば、チームも自然とレベルアップする。昨季までは風間監督が求めるサッカーを体現できる選手が11人プラスαに満たなかったため、調子を落とすとそれを打破することができなかった。しかし、今季は風間監督が求めるサッカーを表現できるメンバーが増えたことで試合の中でも“変化”を加えることができるようになった。事実、昨季までは交代カードを残すことが多かった風間監督も、毎試合のように交代枠を上限である3枚を切っており、これがチームの底上げを物語る。「監督としても良い意味で頭が痛いと思う」と中村。彼らが無敗で首位を走る要因はこんなところにもあった。 ( 竹中 玲央奈)