現在の仙台は攻守両面に課題を残すが、ここでは守備面に注目したい。もともと“良い守備から良い攻撃へ”という流れを得意とする仙台は、渡邉監督体制で攻撃色を強めようとする中でも、前線からの“奪い返す”プレッシングから攻撃の勢いにつなぐことを重視している。近年は点の取り合いになることが多い浦和戦ともなれば、なおさら守備を引き締めなければならない。
何より、ここ2試合は単純に失点が多い。そして、取られ方が悪い。前節のG大阪戦(1●3)も前々節の広島戦(0●3)も短時間で3失点を重ねており、「3失点してから目を覚ますようでは遅い」と渡邉監督も警鐘を鳴らす。
「浦和がどんな形を取っても、誰を見るのかを曖昧にしてはいけない」と石川直が語気を強めるように、流動的で多彩な攻撃を誇る浦和に対し、状況ごとに守備のスイッチを入れる役割の選手を明確にする必要がある。それでこそチャレンジ&カバーは成立する。また、どんな守備計画のもとでも、ここ2戦のように1失点を許した途端に焦れて戦術遂行能力を失ってはならない。
最後尾に構える石川慧は、11年に仙台で同期加入した武藤を「浦和の中でも脅威となる存在」と警戒するとともに、「武藤さんも含めた強力な攻撃を止めることが、自分にとっても成長のチャンスとなる」と意気込む。守備再建は、チームにとっても同じく成長のチャンスとなる。 ( 板垣 晴朗)