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「高校生はいまを一番の修行の時期だと思ってやらないといけない」手倉森 誠監督(U-23日本代表)インタビュー①

2016/4/15 15:39


聞き手:川端 暁彦/写真:宇高 尚弘

1試合の重みを感じられるか

――手倉森監督は育成年代で年間を通じたリーグ戦を行う意義をあらためてどう捉えていますか。
「やはり育成年代は場数を踏まないといけません。日本はゲームを公式戦としてやる習慣が強豪国に比べると非常に少なかったと思います。トーナメント文化がありますからね。だから必要性はありますし、やらなければいけないことですよね」

――世界では当たり前のことですよね。
「亡くなった“日本サッカーの父”と呼ばれるデットマール・クラマーさんがかつてリーグ戦の重要性を日本人に説かれ、日本リーグ(Jリーグの前身)創設の契機を作ったという故事もあります。リーグ戦をやることは選手の成長につながることはもちろん、指導者にもいろいろな気付きがありますし、その気付きがあった指導者によって、また選手が新しいステージへと導かれていくわけです。日ごろの成果とグループ・チームの総合力、そして選手としての総合力が試されるのが年間リーグという大会形式の妙ですよね」

――負けたあと、試合があるのが決定的な違いです。
「だからトーナメント型の大会が主流のときは別の解釈もありましたよね。、負けたらそこで終わりなので負けることの重要性を思い知らされて、メンタル的に鍛えられるのがトーナメント型の大会。リーグ戦は負けても次の試合があるから悔しさが薄く、勝利への執着心が育まれない。そういう解釈でした。ただ、選手がそうなってしまうかどうかは、指導者次第だと思います。一回一回の勝負の大切さ、負けることの重みについて気付かせてあげるのが、指導者の仕事です。それが曖昧になっていた時期があったのは事実だと思います。厳しいトーナメント型の大会で鍛えられた高校サッカーの選手が伸びて、Jクラブの選手が伸びないと言われてしまった時期もありました。ただ、ここに来てリーグ戦の1試合、1試合の重みを感じて次につなげていくという習慣もできてきたのではないでしょうか」

――リオ五輪世代はプレミアリーグ第一世代に当たりますが、過去の世代との差は感じますか。
「彼らこそ淡々とやってきてしまったのではないでしょうか。成長のためには定期的な公式戦が必要だと言われてそれが形になった年代でしたが、全チーム、選手全員が本気のリーグになっていたのかどうか。目標を明確にできていたかどうか。それが曖昧なままにリーグ戦の試合を『させられる』ような状態だと違ってきますよね。実際のところ、私の預かっている年代の選手でも、単に『試合が多いな』と思っていただけの選手もたくさんいたのではないでしょうか」

EG 番記者取材速報

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