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「志の差が1 0 年後の差」手倉森 誠監督(U-23日本代表)インタビュー③

2016/4/15 15:42


聞き手:川端 暁彦/写真:宇高 尚弘

――ユース年代の魅力とは何でしょう?
「可能性です。僕は日本高校選抜でヨーロッパなど海外遠征に行かせてもらいました。アジアでは韓国などに痛い目にあわされましたけれど、ヨーロッパに行ったら互角にできる。でも、アジアのチームが力のあるところを見せると、ヨーロッパのチームはさらにレベルアップしていく。いま、日本はU-15、16なら世界でも相当戦えますが、U-17、18になると体格で負けてしまう。僕らの年代はU-18くらいまで同等にできていましたが、いまは離されてきています。ヨーロッパでは、フィジカル分野を育成年代から真剣に指導し始めて、いまでは体格が全然違う。プロクラブが有能な選手を預かり、食事の摂り方からプロの生活リズムまで身に付けさせています」

――昨秋のU-18日本代表とU-18イングランド代表の試合は衝撃的なフィジカルの差でした。
「その試合は僕も見ましたけれど、大人と子供くらいの差がありました。そういうフィジカルの面を含めると、日本はまだまだやり切れていない国だと思います。それでもここまでレベルアップしてきたということは、日本という国にはまだまだ可能性が眠っているということです。ユース年代のときに持っていた志が5年、10年経ってからの差になる。Jリーグや世界に出てからではなく、ユース年代のときの姿勢や志を高めれば、日本はもっと強くなれます」

――最後に、高校生へ向けて伝えておきたいことがあれば、教えてもらえますか?
「こだわりをもってやるのがいいと思います。こだわりをもってダメだったとき、挫折を糧に成長する選手がいるのもこの年代です。多方面からの情報を取って一つの決断をしていくという習慣も身に付けたほうがいいでしょうね。サッカーはチームプレーですから、人との関係性、メンタルの整え方も鍛えていく覚悟がないと、一流の選手にはなれません」

――すべては強くなるために。
「僕は人生いつでも修行だと思っているんですけど、高校生はいまを一番の修行の時期だと思ってやらないといけないと思います。昔の鹿実(鹿児島実業高校)の選手や国見高校の選手とかがそうでしたけれど、貯金を持って節度を持ってやっていけば(サッカー選手としても)長生きするんです。カズさん(三浦和良)がこの年までできているのも、中学を卒業してすぐにブラジル渡って、プロの生活リズムを体に染み付かせていかるからこそでしょう。高校生の選手には、それを感じてほしいと思います」



手倉森 誠(てぐらもり・まこと)
1967年11月14日生まれ。青森県出身。五戸高を卒業後、住友金属(現・鹿島アントラーズ)、NEC山形(現・モンテディオ山形)でプレーし、95年に山形で指導者の道へ。大分トリニータ、ベガルタ仙台でヘッドコーチを務めると、08年から仙台の監督に就任。12年にはJ1で2位とクラブ史上最高の成績を残した。14年にU-21日本代表に就任。16年にはAFC・U-23選手権に優勝し、リオ五輪出場権を獲得した。

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