G大阪の悪癖につけ込んだ見事なゴールで柏が2連勝
「前半から強烈なアタッカーがいるガンバに対して苦しい展開が続いた」。柏の下平監督が振り返ったように、前半主導権を握っていたのは前節、3得点を叩き出したG大阪だった。最初のビッグチャンスは13分。宇佐美とアデミウソンが左サイドで起点を作り、藤春がオーバーラップする得意の形から長沢がヘディングシュートを繰り出す。
しかし、枠を捉えなかったこの一撃は、G大阪にとってこの試合唯一の決定機だった。攻撃時に変則的な[3-4-3]に移行する柏に対して、守備面では的確な対応を続けていたG大阪。チームのベースである堅実な守備は機能していたかに見えたが、柏に起きたアクシデントが文字どおり、『けがの功名』となる。「本人が途中でスプリントできないと申し出てきた」(下平監督)。柏の心臓部である大谷が前半のみで負傷交代。急遽、田中を投入し、代わりに武富をインサイドハーフに配置することで“応急処置”を図った柏だったが、田中がG大阪の守備陣を混乱させる。
「あそこでタメができたのが痛かった」と田中を評したのは東口だ。奪いどころがはっきりしていた前半とは一転、守勢に回ったG大阪はラインも上げ切れず、“守から攻”へのスイッチが入らない。「人がいるのにボールに行き切れていない」(東口)という今季の悪癖につけ込んだのが、71分の柏だった。武富が中央にいた田中に縦パスを入れると、「インテリジェンスを働かせて、(田中が)ワンタッチでパスをくれた」(ディエゴ・オリヴェイラ)。柏らしいテンポのパス回しをオリヴェイラが移籍後初得点という形で完結させると、粘り強い守りでG大阪に攻めの形を作らせなかった。 指揮官の采配と選手のハードワークが柏に今季初の連勝をもたらした。(下薗 昌記)