ACL第5節の山東魯能戦(0●1)は相手の4バックを効果的に揺さぶることができなかった。特に顕著だったのは中央での連係の乏しさ。試合後、青山は「外だけではダメということ」と振り返る。試合終盤には皆川が中央でクサビを受けたところから決定機が生まれた。「あれがないとサイドは生きてこない。ただ、サイドがカシ(柏)になったから中も生きてきたのかもしれない」と話す青山は、「どちらにしろ片方しか機能しないというのは相手にとっては怖くない」と続けた。
中央のコンビネーションと両翼の突破力がうまくミックスしたとき、広島の攻撃は相手の対応を凌駕する。特に4バックの相手には、スライドが間に合わずサイドにスペースができ、中央にギャップが生まれるという悪循環に陥らせることができるが、現在は青山が語ったように中央のコンビネーションが築かれていない。今節はピーター・ウタカが最前線に立つが、彼個人のキープ力だけでは横浜FMの屈強なCB陣を脅かすことはできないだろう。
ならば、やはりサイドでイニシアチブを握っていくほかない。ただ、純粋にクロスに持ち込むだけでは中央での勝算が低いため、中央へのカットインやゴールラインまで切り込んでマイナスのボールを入れるなど工夫と高度なドリブルが求められる。
右翼のミキッチ、左翼の柏は、個人で突破する能力を備えた広島が誇るドリブラーだ。彼らが横浜FMのSBを凌駕し、サイドハーフやボランチがカバーしなければならない状況を作り出せれば、必ず中央も空いてくる。広島の攻撃に好循環を生み出すために、いまミキッチと柏の力が必要だ。( 寺田 弘幸)