今季の浦和の戦いが如実に表れたデータがある。それは「ボールロスト後、5秒未満で取り返した回数」だ。浦和は88回でリーグ1位。さらに全体のボール奪取のうち5秒以内で取り返した割合は、昨季の16.0%から17.7%に上昇。夏場の戦いを経ていないことは考慮しなければならないが、やはりこちらも現在リーグ1位の数字だ。
武藤は「キャンプのときから散々言われていた。『取りに行け!』って」と笑う。今季、進化のためにペトロヴィッチ監督が掲げたのが、攻守の切り替えと前線からのプレッシングだった。キャンプではその意識付けのため、前線の選手に「GKも追え」、「DFにスライディングしろ」と極端な指示まで送るほどだった。その成果がシーズン序盤にして出ており、前述のデータはもちろん、守備的に来る相手に対してハーフコートゲームを演じる戦いにつながっている。
また、槙野は「攻撃もそうだけど」と前置きしつつ、「守備の成熟度を試せる良いチャンス」とこの川崎F戦を位置付けている。特にポイントとなるのが、今季取り組んできた攻守の切り替えと前線からのプレッシングだ。ペトロヴィッチ監督は、この戦術の狙いの一つとして、「攻撃に人数を割いているので、速く切り替えなければ相手が落ち着いてカウンターできる状況になる。それをいかにさせないか」を挙げていた。川崎Fのカウンターを、攻守の切り替えと前線からのプレスで未然に防げるか。それができれば浦和の成長は本物だ。(菊地 正典)