トリコロールの“勢い”は王者に通用せず
4位と5位の上位対決で先制ゴールを記録したのはアウェイの広島だった。15分、自陣で相手の横パスをカットすると、すぐさまロングカウンターを発動する。ボールを持った柏が得意のドリブルで左サイドを駆け上がり、中央へ折り返す。ボールロストしたことで懸命に自陣に戻った中村に当たりコースが変わったボールをGK飯倉が捕球するかに見えたが、これを痛恨のキャッチミス。背後に詰めていたピーター・ウタカがシーズン6点目となるゴールを冷静に決めた。
先制を許した横浜FMの反撃は後半に入ってから。50分、左サイドの中村からのクロスをファーサイドの齋藤がトラップから狙うもシュートはGK林の好セーブに阻まれる。さらに55分にも齋藤がゴール前で決定機を迎えるが、これも再び林に防がれる。攻め続ける横浜FMに同点ゴールが生まれたのは70分。小林のクロスから中村が放ったヘディングシュートがペナルティーエリア内で相手のハンドを誘いPKに。これを中村自身が決めて試合を振り出しに戻す。
同点に追い付かれた広島だが、直後に再びリードを奪う。この試合、再三に渡って右サイドを突破していたミキッチがまたしてもエンドライン際までえぐり、マイナスのグラウンダークロスを送ると、待っていたのはウタカだった。広島の背番号9はこの絶好機を難なく流し込み、勝ち越しに成功した。広島にとっては主将であり攻守の要となる青山を体調不良で欠く苦しいゲームだったが、要所で力を発揮し、しぶとく勝ち点3をもぎ取った。
この試合を迎えるまで6試合負けなしで順位を上げていた横浜FMは、ホームで痛い黒星。あってはいけないミスで先制を許して劣勢の展開を余儀なくされ、リーグ戦では今シーズン初となる2失点。攻撃面も広島の堅い守備をほとんど攻略できず得点はPKによる1点のみ。期待の外国籍選手が低調なプレーに終わったことも大きく響いた。(藤井 雅彦)