Photo: Norio Rokukawa
浦和にとっては待ち望んだ戦いだった。ペトロヴィッチ監督は最近、守備的な相手が続いたことで「好ゲームは一方がそうしようと思っても生まれない」と何度も言っていたが、川崎Fはいわば好ゲームを生もうとする相手。その相手に自分たちの持ち味を出しながら好ゲームを演じ、結果を出した。
基本的にボールを支配していたのは浦和だったが、川崎Fも攻撃に出た際には迫力があり、バイタルエリアで4本、5本とパスをつなぐシーンもあった。一方で浦和も全体を押し上げながらコンパクトにし、攻撃時にはフィールドプレーヤー全員が敵陣に入る。34分の武藤が右に送った浮き球に対して森脇、つまり3バックの選手がオフサイドになったのは浦和の特徴が出たプレーと言えた。そしてセカンドボールを拾って二次、三次攻撃につなげる。素早い攻守の切り替えからのプレッシャーは、J屈指の高い技術を誇る川崎Fの攻撃陣をしても、なかなかかい潜れなかった。
ただ、ACLでの豪州遠征の疲労の影響は間違いなくあった。前半の30分過ぎからは少しずつ足取りが重くなり、40分を回るころには切り替えの際の一歩目が遅くなった。それを考えれば浦和としては後半の早い時間に得点が欲しかった。
それが生まれたのが54分、敵陣でボールをつないでから森脇が中央に入れた縦パスを李がヒールキックでコースを変えると、ペナルティーエリアのやや外にいた武藤がシュート。これが決まって浦和が先制。終盤は無理はせずともコンパクトかつ高いディフェンスラインを保ちながら、川崎Fの攻撃をはね返し続けた。
ACLを含めた3連戦を2勝1分で終え、ACLグループステージ突破に続いて、敵地での首位攻防戦を制して首位浮上。待ち望んだ試合での期待どおりの結果は、今季の浦和の強さを印象付けるに十分だった。( 菊地 正典)