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[G大阪]G大阪ACL敗退の背景。守備の要を欠き狂った歯車/EG FEATURES

2016/4/24 19:55



 昨季のACLでは広州恒大の地力の前に準決勝で屈した(2戦合計1●2)ものの、うっすらとアジアの頂点を視界に捉えたはずのG大阪。「ACLは今季、最もプライオリティーが高い大会」と開幕前に遠藤が話した言葉は間違いなく、チーム全体の総意だった。

 しかし…。大阪の雄のアジア挑戦はわずか5試合で突然のピリオドを打たれてしまった。「ACLのグループステージで敗退してしまったということは本当に申し訳なかったと思っている」(長谷川監督)。19日に行われたACL第5節・水原三星戦で1-2の敗戦を喫し、最終節を待たずしてグループステージ敗退が決まったG大阪。5試合で1勝もできず、2分3敗。水原三星に引き分けていれば、最終節まで可能性が残ったものの、明らかに力不足の敗退劇だった。

「攻守の歯車がかみ合っていない」(東口)。「みんなの頑張りを自分のワンプレーで終わらせてしまった」(宇佐美)。選手個々は、気落ちしたコメントを口にしたが、「5試合を通じて勝ち点を積み上げられなかった」と振り返った遠藤の言葉が的確な分析だろう。5試合で奪った得点はわずかに『3』。逆に与えた失点は『7』。奪い切れず、守り切れずで低空飛行が続いた。「要因はいろいろあるので一つだけではない」。敗軍の将は多くを語ろうとはしないが、一番の誤算だったのは、丹羽の負傷離脱だった。ACLの開幕戦となるアウェイの水原三星戦(0△0)こそピッチに立ったものの、Jリーグの開幕戦(鹿島戦・0●1)で右鎖骨を骨折し、負傷交代。これがチーム構想に大きな狂いをもたらしていく。

 アデミウソンと藤本を獲得し、攻撃陣の厚みを増したG大阪だったが、開幕前から懸念されたのはCB陣の層の薄さ。岩下と西野が別メニューで出遅れ、「開幕当初はスクランブル体勢で戦わざるを得ない」と長谷川監督も語っていた。今野のCB起用はあくまでもオプションに過ぎなかったはずだが、丹羽の離脱によってACLの第2節(メルボルン・ビクトリー戦・1△1)から第4節(上海上港戦・0●2)までは今野とキム・ジョンヤのCBで戦わざるを得なかった。

 そして丹羽の離脱が、遠藤の起用法にも影響をもたらしていく。「本当はヤット(遠藤)をうまく休ませながら回したかった」(長谷川監督)。今季は本来のパフォーマンスを見せ切れていない遠藤だが、指揮官も決して“聖域”にするつもりだったわけではない。事実、開幕戦の水原三星戦ではボランチの守備力を考慮し、遠藤をベンチに温存。井手口と今野のダブルボランチで敵地に乗り込んだ。しかし今野をCBで起用せざるを得なかったことで、36歳の大黒柱もフル稼働を余儀なくされたのだ。

 過去5シーズン、レギュラーとして稼働したことがないキム・ジョンヤと、長谷川体制下ではCBの枠組から外れていた今野のCBコンビ。両者が持てる力を出し切っていたのは事実だったが、アジアレベルを越えた個の力を持つ上海上港相手には、2敗を喫し、計4失点。レギュラー格のCB二人を欠いたまま、勝ち上がれるほど昨今のACLは甘くはなかった。

 丹羽の長期離脱がもたらしたチーム構想の誤算。チームベースである守備が安定することなく、G大阪は今季のACLに別れを告げた。(下薗 昌記)

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