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“影の功労者”では満足できないFWとしての欲求
「本当に悔しさだけを味わっている。もっとチームメートよりも目立ちたい。オレの欲がどんどん出てくる」
献身的な守備とハードワーク──。その姿から“フォア・ザ・チーム”の精神を貫いていると見られがちな岡崎慎司だが、実情は違う。とにかく、ゴールを欲しているのだ。「献身的な動きをしないと試合に出られないから、やっているだけ」。そうとさえ言い切る。
24日に行われたスウォンジー戦は、そんな岡崎にとって願ってもないチャンスになった。ここまで22得点を挙げているイングランド代表FWバーディーを出場停止で欠き、日本代表FWにかかるゴールへの期待は、これまで以上に大きかったからだ。「脇役ではないけど、FWとしてその立ち位置に甘んじているわけにはいかない。大事なところでゴールを決めたい」。本人もゴールへの意欲は強かった。
しかし、無得点のまま73分に交代を命じられた。ピッチを去る際には、MFドリンクウォーターに頭を撫でられ、主将のDFモーガンにもハイタッチで称えられたが、ベンチに戻る際の岡崎は、見るからに悔しそうな表情を浮かべていた。試合後、その心情を吐露する。
「結果を出す奴らがいて、一人のサッカー選手として、悔しさをめちゃ味わっている。1試合の中で何もできなかったら、のたうち回るぐらいの悔しさを自分の内に秘めている」
イギリス国内メディアでは、躍進に導いた“影の功労者”としてその名が何度も上げられているが、意外なことに岡崎は現状にまったく満足していない。だが、こうした強い向上心こそ、これまで岡崎を選手として一回りも、二回りも成長させてきた。
よくよく考えれば、彼が刺激を受けているのはPFA年間最優秀選手賞に選ばれたMFマフレズや、11試合連続ゴールのプレミア新記録を打ち立てたバーディーである。高いレベルでの競争やライバル心は、大きな成長を促すこともまた事実である。プレミアリーグでもがき苦しむその先に、ストライカーとしてさらに進化する岡崎の姿があるはずだ。( 田嶋 コウスケ)