堅いガードから、稲本の強烈な一撃
その試合展開を「予想外だった」と札幌の四方田監督が振り返る。前半は個々の技術力に優るC大阪が攻め込む場面が多く、その攻め疲れが出てしまったのか、後半はオープンな展開となり双方が9本ずつのシュートを放つ展開と移り変わった。
今季の札幌はJ2第4節・清水戦(2○0)に代表されるように、堅く守り、数少ないチャンスを生かして勝ち点を積むスタイルで順位を上げてきた。おそらく四方田監督はこの試合も同様の流れから勝機を見いだすつもりだったのだろう。しかし、フタを開けてみれば圧倒的な選手層を誇るC大阪とのオープンな殴り合いの末に、今季開幕から無敗を続ける相手に土をつけた。
ただし、殴り合いを制したとはいえスコアは1-0。やはり堅いガードがあってこそのノックアウト勝ちだった。「我慢を続けていれば、必ずチャンスが来ると思っていた」と宮澤が話すように、C大阪の分厚い攻めに耐え忍ぶ時間も少なくなかった。あと一本でもパスをつながれていれば失点していたような場面も数多くあった。それでも5バックの布陣が粘り強く、何度も何度も相手のクロスをはね返しては好機を待ち続けた。そして世界を知る稲本の強烈なパンチが勝利のゴングを高らかに鳴らしてみせた。
前述の清水戦もそうだったが、内容的には必ずしも相手を上回っていたわけではない。だが前回、前々回の昇格時(07年、11年)も、強者を相手に我慢の戦いを続け、わずかなチャンスをモノにして歓喜を手にしてきた。この日の勝利も、当時を彷彿とさせるものがあった。昇格ムードを感じさせる、勝負強さが感じ取れた。(斉藤 宏則)