Photo: Atsushi Tokumaru
長崎戦のゴールは中島にとって今季5得点目だった。鈴木孝もすでに3ゴールを挙げている。町田の2トップは今季のJ2で猛威を振るっているが、二人の連係からゴールを奪う部分に多少の課題があった。厚みのある攻撃は町田の武器だが、少ない人数で手早くゴールを陥れられたら試合運びはラクになる。長崎戦のような苦しい展開なら、なおさら少人数のアタックが生きる。中島も「攻められていたけれど、僕と(鈴木)孝司でDFを裏返せばチャンスは絶対にあると思っていた」と我慢の展開の中でゴールのイメージを思い描いていた。
かくして二人のラインが今季初めて“直通”した。76分の決勝ゴールは鈴木孝のアシストから中島が決めたモノ。谷澤のスルーパスからペナルティーエリア内に抜け出した鈴木孝は、その直前に「(中島)裕希くんが右サイドを走っているのが見えていた」と振り返る。鈴木孝は「オフサイドラインにいて止まっている状態だったので、うまくスピードに乗れなかった」ことから判断を切り替えて右への横パスを選択。「(中島が)見えていたことが良かった」とアシストにつながった観察眼を説明する。
長崎戦の直前、鈴木孝に2トップの連係を高める方法を問う機会があった。答えは「お互いの位置を確認すること」、「どちらかが裏を狙って相手にとってイヤなスペースを突くこと」の二つ。まさにその心構えが奏功して生まれた会心のゴールだった。
中島が山形から町田に加入したことで生まれた鈴木孝との新コンビ。「距離感が良かったら、ああいう横パスで点が入る。二人がゴール前にいれば相手の脅威になる」という鈴木孝の言葉を借りるまでもなく、その関係が深まれば“1+1”以上のモノも生まれていくだろう。
中島は「刺激し合って、お互いが二ケタ得点を取れればこのチームにもプラスになる」と、さらなる高みを見る。好調・町田を支える2トップだが、まだまだ良くなる余地を残している―。そんな期待を抱かせる、長崎戦の決勝弾だった。( 大島 和人)