■柏レイソル
敵将の対策を予測し、上回ることができるか
公式戦5連勝。リーグ戦3試合連続完封勝利と最高の状態である柏が、神戸を日立台に迎える。上位進出のためにも必ず勝ちたいこの試合。新人監督が「かなり影響を受けた監督」と名前を挙げる、ネルシーニョ監督に対してどう挑むかが最大の焦点になる。「相手の良さを消すことに関しては長けている監督。自分たちの良さを出しつつ、相手の良さを出させないサッカーには本当に影響を受けた」と下平監督は語るが、この部分はいまのチームにも引き継がれている。
前節の鹿島戦(2◯0)。スピードのあるドリブルが持ち味のカイオに対して、スピードが売りの伊東をぶつけるのではなく、ベテランの鎌田を右SBで起用した。その結果、鎌田が期待に応えると同時に、1列前に配置した伊東が攻撃面でそのスピードを存分に発揮し、勝利に大きく貢献。まさに“ネルシーニョの教え”が結実した試合であった。
それでも若き指揮官は今節に向けて、「こっちの対策というより、ネルシーニョがやってきた対策を予測して、何かを考えておくということも必要」と策士である名将を警戒。敵将の対策への対策に頭を悩ませながらも、神戸の強力攻撃陣を抑えることと、ハードワークすることを試合のポイントとして挙げており、この2点を中心に、神戸戦のゲームプランを練っていくことになるだろう。
またこの試合、下平監督にとってはもう一つ勝ちたい理由がある。12年の天皇杯・2回戦で、柏U-18の監督としてネルシーニョ率いるトップチームの柏と対戦しており(0-3で敗北)、今回はその“前回対戦”のリベンジマッチとなる。敗戦に終わった前回の対戦を、「あのときは『半分、勝っちゃいけないな』と思いつつ、やっていた」と下平監督は笑いながら振り返る。だからこそ今回は「ホームだし、勝ちたい」と気合いは十分。“リベンジ”を果たせるかにも注目だ。(須賀 大輔)
■ヴィッセル神戸
好調の柏を叩いて、順位アップの機運を作る
渡邉が好調だ。「前線の選手で得点していないのは自分だけ」と苦虫をかみつぶしたような表情を見せたのはもはや過去。3月27日のナビスコカップ第2節・鹿島戦(4◯1)で今季初得点すると、続くJ1・1stt第5節の湘南戦(2◯1)で今季リーグ戦初得点。直近の2試合では3ゴールだ。「ペドロ(・ジュニール)はドリブルで(敵DFを)引き付けてくれる」と渡邉が語るように、ペドロからのパスが得点に直結。さらに、「『逆にパスを出してくれよ』とも言われている」と笑顔を見せ、連係に好感触をつかんでいる。
神戸は公式戦7試合負けがない。前線から精力的なプレスを行い、高い位置でのボール奪取から速攻につなげる形で公式戦4連勝を遂げたが、直近3試合はドローが続いている。高橋峻は前節・仙台戦(2△2)の後半ロスタイムに追い付いた流れをポジティブに受け止める一方、「このままでは良くないと思っている。その流れを断ち切ることが必要」と、今節のアウェイ戦へ闘志を高めた。
その高橋峻は「相手の監督も作戦を練ってくる。鹿島戦はCBを後ろに4人並べていた」と柏の戦術への警戒心を強める。多数のシステムや用兵を駆使する柏のやり方は、昨季のネルシーニョ監督の定番だった。ただ、今季の神戸はシステムとメンバーを固定して戦い、相手に合わせて何かを変えることはしていない。従来の準備と同じく、ネルシーニョ監督は柏の特徴を自チームに落とし込み、誰が誰をマークするのかを整理して選手をピッチに送り込むことになるだろう。
渡邉は「(守備は)前から行くときとブロックを組むとき。そのバランスを考えてやらないといけない」と強調。勇躍著しいストライカーは“良い守備”の実現にも気を引き締める。神戸は昨季のこの時期も公式戦7試合負けなしを記録しているが、上位進出とはならなかった。公式戦5連勝と勢いに乗る柏にしっかりと勝ち切り、順位を上げていく機運を作りたい。(小野 慶太)