Feature 特集

[FC東京]自信、そして“色”を失ったFC東京/AFCチャンピオンズリーグ ビン・ズオン戦試合前コラム

2016/5/2 14:55



 いまのFC東京のサッカーには、“色”がない。昨季までの2年間は、堅守速攻という明確な戦い方があった。それ以前は、パスをつないで主導権を握るという攻撃的なスタイルに挑戦していた時代もあった。

 いずれも、長所と短所を併せ持っていた。守備を強く意識するぶん、前線にかける人数は少なくなり、分厚い攻撃をする機会は減る。逆に前線で複数選手が絡んで連動していくことで、後方が手薄になり敵にカウンターを食らう場面が出てくる。常に切れ間なくプレーが続くサッカーにおいて、攻守は表裏一体。だからこそ、バランスが大切という理論が存在する。

 しかし、どの時代も、FC東京の選手たちは方向性だけは失わずにプレーしていた。攻撃的なチームのときは、相手に殴り勝つことを常に目指し、また技術が進歩していく実感を得ながら日々を過ごした。守備的なチームでは、初めは慣れないディフェンス理論と攻撃回数の少なさにストレスを抱えたが、徐々に“結果”という何物にも代えがたい手ごたえを抱いていったことで、勝利への執着心と自信を手にした。

 4月29日のJ1・1st第9節・福岡戦。相手は5バック気味に引いて守ってくると予想していたが、フタを開ければFC東京と同じ[4-4-2]でガチンコ勝負を挑んできた。守備的に引いたチームを突き崩すことは難しい。しかし、この日のFC東京に、そんなエクキューズは通用しなくなった。同じ布陣を敷いた敵を前に、彼らは攻撃に迫力を欠き、数少ない決定機もフイにした。反対に福岡にウェリントンの高さという最大の長所を発揮され、失点。0-1で力なく敗れた。

 ただでさえ勝利から見放されていることで、福岡戦での彼らのプレーからは攻守において“色”が感じられなかった。そして、J1で下位に沈む相手にも敗北。試合後、選手たちの口からは「何とか前を向いて」や「選手同士で話して」といった苦しい言葉が飛び出していた。

 自信をなくしつつある青赤。あらためて、ビン・ズオン戦はタフさを取り戻す戦いでもある。(西川 結城)

EG 番記者取材速報

League リーグ・大会