前節・仙台戦(1△1)のドローは痛恨だった。川崎Fらしさを見せることができたシーンはわずかで、大島のスーパーゴールは見事だったが、90分を通じて攻撃に迫力はなかった。試合後の会見でも風間監督は“もっとできるはずの選手”が持てる力を出さないことに憤慨していた。仙台戦が明けた週の練習後、「どんどん前に行きたい選手を使ったほうがチームには良い」と語気を強めていたのが印象深い。
そして今節、先発には前節、途中出場ではつらつとプレーした三好を抜擢し、柏から期限付き移籍中で契約上、出場できないエドゥアルドの代役に車屋をチョイス。攻撃面で良さを出せる選手をピッチに送り込んだ。前者は前半の45分でピッチを退いたが、持ち前の巧みな技術が伴ったゴールへ向かう姿勢を発揮し、後者はひさびさのCBであったが、自信を持つ対人の守備とビルドアップ力をいかんなく発揮。フレッシュな二人がチームに活力を与えた。
そして、結果として09年の最終節(J1第34節・3○2)を最後にリーグ戦で勝ち星を挙げることができていなかった鬼門・日立台で3得点を挙げる快勝。得点はチームとして“前に行く”、“相手のイヤなところを突く”という共通理解があったからこそ、生まれたモノと言える。仙台戦後に「安パイなところにパスを出しがちだった。そうなると相手は怖くない。相手を崩すということを第一にして考えることをしないと、ウチらしいサッカーはできない」と谷口は唇を噛んでいた。そこでの反省がしっかりと生きた試合だった。もちろん課題もあるし、手放しで賞賛はできない。それでも、前節まで3試合で2得点と萎んでいた攻撃陣が力を発揮して得たこの勝利の意味は大きい。 ( 竹中 玲央奈)