ハードワークを見せた愛媛がペースを握る
愛媛からすれば昨季のJ1昇格プレーオフ準決勝(0△0※リーグ戦の順位が上だったC大阪が決勝進出)のリベンジマッチ。C大阪にすれば昨季ニンスタでの逆転負け(J2第27節・1●2)の雪辱戦だった。互いに気持ちの入る一戦はどちらも譲らずスコアレスドローに終わった。
C大阪と愛媛の戦力差は歴然だが、この日の試合はほぼ互角だった。愛媛は強豪・C大阪相手にも臆せず、攻守ともにアグレッシブさを見せた。「選手たちにはとにかく攻撃的に、強気に行くぞ、しっかりつなげと伝えた」(木山監督)と実践したサッカーは相手に対応したものというよりは、愛媛が本来目指しているもの。自らの良さを前面に出し、真正面から挑んだ。
一方、C大阪は愛媛のハードワークにやや押され気味になる時間があったものの、大きく動じることなく、随所でビッグチャンスを創出。前半終了間際に柿谷が決定機を作って波に乗ると、後半開始に矢継ぎ早に3つの絶好機。中でも46分には右からのクロスにより愛媛守備陣が乱れたスキを突いてソウザが「決めれば終わりの場面」(大熊監督)を作ったが、愛媛の玉林が頭で執念のブロック。決定機でことごとく相手の粘りに屈してゴールを奪えなかった。逆に終盤には愛媛に猛攻を許し、逆転負けを喫した昨季のトラウマがよぎる場面もあった。
トータルで見れば、チーム全体の組織力、ハードワークを見せた愛媛がペースを握る時間は長かったとは言え、逆に決定機の数は個のクオリティーの高さを武器にC大阪が多く創出。スコアこそ動きはしなかったが、技術的な見せ場、球際での激しさなど、お互いに持ち味を出す場面の多い見ごたえのある試合だった。そういう意味では、このドローは両チーム納得のいく妥当な結果と言えるはずだ。(松本 隆志)