■FC東京
“昨季の幻影”を振り払うことができるか
因縁渦巻く一戦。昨季までFC東京を率いていたマッシモ・フィッカデンティ監督が、鳥栖の指揮官として味の素スタジアムにやってくる。クラブ史上最高勝ち点を積み重ねるなど、昨季はタイトルレースにも絡んだが、シーズン終了後に退任。堅守速攻をベースに粘り強く戦ったチームを支持したサポーターも多く、今回の対戦を複雑な思いで迎える人も少なくないだろう。
表立って口にはしないが、後任の城福監督は間違いなく“昨季の幻影”と戦い続けている。それは最高勝ち点やチャンピオンシップ進出まであと一歩という成績を残した、その翌年に指揮官に就任した者の宿命でもある。否が応でも今回の対決に注目が集まることについても、こう語る。「これはプロの興行でもある。(因縁対決で)盛り上がることは悪いことではない」。
しかし、すぐに現実を直視する発言も。「われわれも鳥栖も相手がどこであれ、目の前の試合に勝たないといけない状況」。現在12位のFC東京に、16位の鳥栖と低迷する両者。因縁以前に強く意識しなければならないこともある。「勝ちたい。とにかく勝ちたい」(森重)。順位上昇へのひっ迫感と、前監督への意地――。勝利へのモチベーションには、申し分ない。(西川 結城)
■サガン鳥栖
指揮官は若き司令塔の復帰にGOサイン
前節シュート1本の零封負けを喫したチームに頼もしい存在が戻ってくることになりそうだ。4月20日のナビスコカップ第4節・横浜FM戦(0●1)で左肘を脱臼し、離脱していた鎌田が今週の練習では主力組のトップ下に入った。鎌田自身は「いざやってみないと分からないけど、やるとしたらリスクも当然ある」と自身の状態について慎重な姿勢も見せていたが、マッシモ・フィッカデンティ監督は復帰へGOサインを示すことは練習を見ても明らかだ。若き司令塔の復帰は明るい材料だろう。「チームも良くない状態だし、FC東京戦に出ることができたらチームのためにという気持ちが強い」と、鎌田自身もチームの閉塞感打破のために静かに気持ちを高めている。
11日の練習でフィッカデンティ監督は選手たちにスピード感を強調していた。「常に求めている部分」としながらも「ある程度、形が見えたのでもっと上げないといけないのはその部分」とも話した。選手たちが“その部分”をクリアできるか。「監督も言葉にはしないけどFC東京に勝ちたいだろうし、そういう雰囲気も何となく感じる。選手としても気持ちを汲んで戦わないといけない」と藤田が話すように、指揮官のためにも勝ち点3をFC東京から奪いたい。(杉山 文宣)