Photo: Norio Rokukawa
守備に重心をおいた両チーム。「負けたくない」がにじみ出たスコアレスドロー
注目の指揮官対決。昨季までFC東京を率いた、鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督と、そのイタリア人指導者が成し遂げた成果(クラブ史上最高勝ち点獲得など)を受けながらプレッシャーと戦う城福監督。お互いに負けられない一戦は、スコアレスドローといいう痛み分けの結果に終わった。
鳥栖のサッカーが守備重視であることは、昨季までフィッカデンティ監督がFC東京で見せていた戦いぶりからしても頷けるところ。対するFC東京も公式戦5試合勝利なしという一時のどん底は抜け出したが、そのきっかけとなったのは戦い方をこれまでよりもディフェンシブに切り替えたことにある。前節の湘南戦(1○0)から採用する[4-3-3]システムは、実質は前線を1枚残した[4-1-4-1]の形であり、主に後方に人を多く割くようにできている。それは今節も変わらず、FC東京は前半からリスクを懸けない攻撃を繰り返し、手堅いサッカーを展開していった。
そんな中で迎えた決定機が、前半終了間際。高橋秀人のミドルシュートがクロスバーに直撃した場面を含め、実に1分間で3度の決定機を作ったが、阿部のシュートは再びクロスバーに阻まれ、徳永のヘディングは鳥栖のGK林の好守に防がれた。「あそこのチャンスを一つでも決めておかないといけなかった」とシュートを放った高橋秀人も悔しがった。
後半はFC東京が前半よりも両サイドで高い位置を取り始め鳥栖を押し込んだが、決定打を欠いてノーゴール。鳥栖の守備陣の粘り強い対応は、まるで昨季までの青赤の姿を見ているかのようだった。
ソリッドな90分間。お互いに「勝ちたかった試合」(城福監督)だったが、同時に負けたくないという意識も強く出た結果、非常に手堅い試合となった。(西川 結城)