チーム全員で描く同じ絵
山口は攻撃的なパスサッカーを貫いた。先制しながら立て続けに2点を奪われ一度は逆転されたとき、鳥養は、「やっぱりセレッソは強いな」と感じたという。それでも、やり方は変わらない。愚直にパスをつないで崩し切った3点目。クサビのパスを島屋に入れた小池は、「信じて走ってくれる選手が多いぶん、パスを出しやすい。それに、SBがボールを持ちやすいようにパスをつけてくれるボランチもいる」と話した。
山口は両SBが起点となる攻撃も多いが、そこに至るまでに丁寧にボールを運ぶ。フィニッシュにつながるバイタルエリアでの崩しも含め、選手同士でのイメージが共有され、同じ絵を描くことができている。エース岸田や今季5得点の中山がけがで不在、ボランチ三幸も出場停止で欠く中で奪った4得点は、チームとしてのスタイルが根付いている証だ。昨季J3を席巻した維新旋風は留まることを知らない。
敗戦後に3度の2部練習を敢行
攻撃的なパスサッカーを支える走力も落ちず、清々しいまでに最後まで走り切った。前節、山口は8試合ぶりに敗戦(金沢戦・0●1)を喫した。そして、今節を迎えるまでの1週間。「自分たちを見つめ直す」(小池)意味も込めて3度の2部練習を行った。福満は、「相手の倍走ることを意識して今節に臨んだ」と語る。殊勲の2得点を決めた鳥養は、「この練習を続けたら体は持たない(笑)」と悲鳴を上げつつも、「前節の不甲斐ない試合を取り返そうと全力でやった。上野さんがやりたいサッカーを信じて僕らもやっているし、結果が出たので報われた」と笑顔を見せた。
特定の練習場を持たず、日々、転々としながらトレーニングを行っている山口。「雑草魂。絶対に負けないという強い気持ちで戦った。自分たちのやっていることが間違っていないと信じることができた」。鳥養の言葉が力強く響いた。(小田 尚史)