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MF 3 宇賀神 友弥
森脇のサイドチェンジを全力疾走で追い掛けると、ワンタッチでクロスを入れた…、はずだった。そのボールはゴールに向かい、GKユ・サンフンの頭を越えてゴール右に吸い込まれた。「びっくりし過ぎて、喜びに来てくれた選手に『入ったよ。見た? 見た?』って子どものようなリアクションしかできなかった」。宇賀神はそういって笑った。
ただ、狙いどおりでなかったのはクロスだけ。その形は狙いどおりだった。「ミシャ(ペトロヴィッチ監督)になってから5年間ずっと言われ続けている形。あそこに動き出して、出し手があの質のボールを出してくれることで生まれたゴール。練習の反復が生んだゴール」。
今季の宇賀神は決して良いシーズンを送れていなかった。動きにキレがなく、プレーも精彩を欠いた。サイドは運動量を必要とするポジションであるとはいえ今季、リーグ戦では9試合に先発出場して、フル出場したのはたったの2回のみ。宇賀神は言う。「開幕戦(J1・1st第1節・柏戦)でけがをして、そこからなかなかコンディションが上がらなかったのが一番の原因。出場するからにはもっと質の高いプレーをしなくてはいけない、走らなくてはいけない、戦わなくてはいけないということがある中でもどかしさはあった」。しかし、その点が「やっと落ち着いてきた」と感じたこの試合では、ゴールにつながった裏に抜ける攻撃面での動きだけではなく、守備でも球際で戦い、奮闘していた。
「これから上がってくると思う」。不振の時期を乗り越え、自身が得意とする夏がやってくる。この試合のゴールが反復練習の賜物であるように“ミシャの申し子”宇賀神が、本領を発揮しようとしている。(菊地 正典)